健幸サポート便を支えるパートナー 酪農のお仕事を
見てみよう!

おいしい牛乳を
ありがとう!
がんばれ!日本の酪農

2023年、日本の酪農はコロナ禍やウクライナ情勢、円安などの理由で、今までに例がないといわれるほどの危機にさらされていたことをご存知ですか?
毎日おいしい牛乳(乳製品)を飲めるのは、酪農家の皆さんの努力があってこそ。
そこで、千葉県の佐久間牧場さんを訪れ、酪農の仕事についてお話を伺いました。

お話を伺ったのは佐久間牧場(千葉県)
佐久間規幸さん・
真紀子さんご夫妻

取材:2023年1月/写真:代 和佳子

酪農とは?

酪農とは、乳用家畜(乳牛など)を飼育して、私たちの食生活に欠かせない牛乳・乳製品を生産する農業。

夫婦で助け合う酪農

佐久間牧場を営む佐久間規幸さんは、大学時代に、自分の周りに酪農を目指す人が全くいないことで「誰もやらないなら自分が酪農の道で勝負しよう」と一念発起したといいます。その後、酪農ヘルパーとして、さまざまな牧場で経験を積み、同じ酪農ヘルパーとして働く真紀子さんと出会い結婚。現在は夫婦2人で助け合いながら酪農を営んでいます。佐久間牧場は、乳牛だけでも61頭を飼育。この規模を2人だけで管理、運営するのは重労働です。毎日、給餌や搾乳、掃除などで休む間もなく牛舎の中を行ったり来たり。真紀子さんは「動物が好きではじめた仕事なので、大変だけど世話をするのは楽しい」と話します。「酪農は日々試行錯誤の繰り返し。ただ、努力すれば努力をした分だけ実を結ぶ。それが面白い」という規幸さん。飼料の配分や飼育環境などを工夫し、努力を重ねた結果、コロナ以前は生産量も順調に増え、やりがいを感じていたそうです。

  • 酪農ヘルパーは、1日も休むことができない酪農家の代わりに業務を代行する、酪農家のパートナーとして欠かせない存在。

危機にさらされる酪農業界

ところが、コロナ禍での消費減少にはじまり、2022年のウクライナ情勢による海運の混乱や原油高、さらに円安が追い打ちをかけ、飼料が急激に高騰。飼料のほとんどを輸入に頼ってきた佐久間牧場にとっては大打撃です。「牛は生き物。どんな状態でもやめることはできない」と、対策として安価な飼料の一つである、国産の稲を発酵させた飼料を導入したものの、なかなか満足のいく量が手に入らないといいます。

安全な日本ブランドを
支える酪農

酪農業は今もなお、出口が見えない苦しい状況にあります。それでも「私たちは安心・安全な牛乳を作っているので、おいしく飲んでくれることが、なによりうれしい」「乳製品でも、ぜひ国産の生乳が使われた商品を選んでほしい」と話す規幸さんからは、「おいしい商品は、おいしい生乳から生まれる」という品質への自信とプライドが見えました。日本の牛乳は100%国産。森永乳業は、消費者のために努力を続けている酪農家の皆さんをサポートし、一丸となって品質の良い牛乳・乳製品をみなさまのもとへお届けしています。

牧場の1日

酪農の仕事は早朝からスタート。
搾乳を早朝と夕方の1日2回行う、佐久間牧場の1日をご紹介します。

AM 5:00

牛舎の見回り・準備

牛の様子をチェックしながら、掃除や機械の殺菌など搾乳や給餌の準備をする。

AM 5:30

給餌(1回目)

牛の様子をチェックしながら、掃除や機械の殺菌など搾乳や給餌の準備をする。

AM 6:00

搾乳(1回目)

乳頭を消毒して
「前搾り」する。

生乳に異常がないかチェック。異常乳が混ざることがないよう品質を徹底管理!

搾乳器「ミルカー」を取り付ける。

搾り終わったらミルカーを外し、乳頭を消毒。これらを1頭1頭行っていく。

器具を片付け、
洗浄し消毒する。

AM 8:30

給餌(2回目)
搾乳が終わるとすぐ
に給餌。

何往復もしながら、さまざまな飼料を与えていく。

飼料は生乳の源

飼料は大きく粗飼料と濃厚飼料の2種類に分けられ、どちらか一方だけでは栄養が偏るため、バランスを考えて給餌する。

粗飼料

粗飼料は主に草から作られる牛の主食。乾燥させた「乾草」、発酵させた「サイレージ」がある。

濃厚飼料

濃厚飼料は、トウモロコシ、大豆、麦などで作られる。栄養豊富で牛にとってのおかずやサプリのようなもの。

AM 10:30

片付けや生乳の品質管理のため、
バルククーラーの温度や餌の種類などを記録。

牛たちが横になって休み始めると、ようやく座って事務作業。

生乳の品質保持にかかせない
「バルククーラー(冷蔵庫)」

搾られた生乳は、牛の上を通る送乳パイプでここに送られ、一気に冷却。出荷するまで一定の温度で貯蔵される。

休憩

PM 4:30

午前中と同様の仕事
(牛舎の見回り〜片付け、生乳の管理)を
繰り
返し行う。

こんな仕事も!
主な作業の合間にも、
たくさんの仕事があります

子牛に哺乳

動物が大好きで、獣医になりたいという小学5年生の娘さんもお手伝い。

※取材当時

獣医さんに診察依頼

牛のちょっとした変化を見逃さず、獣医さんに連絡。すぐに駆け付け診察してくれる。

飼料などの管理・運搬

飼料や敷料など酪農で大量に扱う資材を、ショベルカーで運搬する。

牛の出産などの対応

なんと取材に訪れた日の朝、子牛が誕生!

森永乳業グループの酪農サポート酪農家さんに寄り添って

佐久間さんのご要望を伺う森永酪農販売の長谷川知美さん(写真中)と只木杏奈さん(写真右)

森永酪農販売株式会社では、酪農家の皆さんの夢や目標を実現いただくために、牧場を定期的に訪問して、乳質の改善技術、生乳の需給に関する情報などを提供し、一緒に改善策を考えるなど、相互に問題解決に取り組んでいます。佐久間牧場を担当する長谷川知美さんは、「乳牛の栄養士」として最適な飼料を提案、飼料を通じて乳牛の健康を見守っています。「長谷川さんは、ちょっとした相談にも親身になってくれ、1聞けば10返してくれる」と佐久間規幸さん。森永酪農販売では、こうした信頼関係を大切にしながら、酪農家の皆さんとともに、「楽農」の実現を目指してサポートを続けています。

  • 森永乳業株式会社の飼料販売業務を継承して独立し、設立。

森永乳業のサステナブル

酪農におけるふん尿処理システム「MO(エムオー) -
ラグーンfor Dairy」を
開発

酪農家の約3割が悩むふん尿処理方法(※)や、慢性的な人手不足の対策として、森永乳業は酪農におけるふん尿処理システム「MO(エムオー)-ラグーンfor Dairy」を開発。将来的には外販も視野に入れ、多くの酪農家が直面しているふん尿処理課題と環境負荷の低減に貢献していきます。「for Dairy」(=酪農のために)という名称は、将来、酪農家・畜産農家に向けた支援につながればという想いが込められています。

  • 森永酪農販売 2020年 酪農家へのアンケート調査 n=421戸