グランドマイスターが語る 開発への道のり

牛乳を愛する開発者が思い描いた、理想のミルク「贅沢プレミアミルク」。開発を担当した社員にそのこだわりを聞きました。

森永乳業株式会社 食品総合研究所 第1開発部 副主任研究員 グランドマイスター 矢野 誠恭

1974年宮城県生まれ。東北大学大学院工学研究科においてバイオテクノロジーを専攻、修士課程修了後に森永乳業入社。3年間の利根工場勤務後、2002年より各種飲料開発に従事。「森永のおいしい牛乳」の開発に携わり、今回「贅沢プレミアミルク」の開発を担当する。

二つの研究が重なった結果、生まれた製品です。

そもそも私は牛乳好きが高じて乳業メーカーに入社したほどで、日頃からもっと多くの方に牛乳を飲んでいただきたいと思っていました。そしてどういう牛乳がおいしいと感じられるのか、基礎研究を行っていました。

一方では膜処理によりどのような味に変化するかといった研究も行われていたという歴史があり、その二つの流れが重なり、お客様に牛乳の新しいおいしさを感じていただける製品が生まれました。

理想の味は、「牧場の牛乳」の味?

牛乳のおいしさというのはとても微妙で「牛乳ってどんな味?」と聞かれても説明するのは難しいものです。ほのかな甘味や塩味、脂肪によるコクなどが微妙なバランスで成り立っていて、それが崩れると途端に不自然さを感じてしまいます。

お客様は牧場の牛乳に対して「甘くて、濃くて、おいしい」というイメージを抱かれていると思うのですが、贅沢プレミアミルクはそのイメージを高めて行った先にある味だと考えています。

「牧場で飲む牛乳は甘い」と感じられる方は多いですが、贅沢プレミアミルクは、その味にこれ以上ないくらいに近づけることができたのではないかと思います。

官能評価のノウハウこそが開発のポイントです。

作って、官能評価し、修正し、また評価する。この一連のサイクルに、味作りのノウハウが注ぎ込まれています。私自身も弊社で10人ほどが認定されているグランドマイスターの一人です。風味識別にはかなり敏感で、お米の品種の違いやコーヒーの淹れ方まで気がついてしまいます(笑)。

今回の製品は、理想の牛乳を作りたいと考えた時に生まれた頭の中のイメージにひたすら近づけて行きました。試作品作りを繰り返し、最終的にお客様から非常に高い評価をいただけた時は感慨もひとしおでした。お客様は、きたんのない意見をされるため、貴重かつ少し怖い存在でもありますね(笑)。

※森永乳業の社内認定制度の一つ。年に1度行われる風味パネルパイスター認定試験に3年連続で合格すると、グランドマイスターに認定されます。

贅沢プレミアミルクは大量生産ができません。

徹底して風味や製法にこだわっていますので、製造にはとても手間ひまがかかります。
私としては、ゆずれない味へのこだわりがありましたので、非効率なものを追い求め、時には叱られながら製品化を進めました。ですが牛乳の良さを広めていくためには絶対に必要な製品であると信念を持って開発してきました。体に良い働きのあるビフィズス菌を入れることにもこだわりました。ビフィズス菌はとてもデリケートなものですが、弊社はビフィズス菌を生きたまま腸まで届ける技術を持っているので、この技術を活かし、健康に役立つ製品という点にもこだわりました。